WordPressは完全無料で始めることができます。
無料の始め方のポイントは「無料レンタルサーバー」「無料ドメイン」です。
しかし、無料でWordPressを始めることは、「サーバーの性能が低い」「サポートがない」といったデメリットもあります。
今回の記事では、まず2つのWordPressについて紹介。
その後、WordPressの無料の始め方とメリット・デメリットについて解説します。
ポイントをしっかりと把握して、無料・有料を検討しましょう。
2つのWordPressとは?
WordPressには2種類あります。
「wordpress.org」と「wordpress.com」です。
それぞれの違いにくわえて、レンタルブログとWordPressの違いも解説します。
wordpress.org
一般的にWordPressと言えば、wordpress.orgを指します。
今回の記事で、完全無料での始め方を解説するのもこのWordPressです。
WordPressはCMS(コンテンツマネジメントシステム)の一種で、サーバーにインストールして利用します。
WordPressはオープンソースで、誰でも自由にダウンロードして利用可能です。
レンタルサーバーにインストールして、Webサイトやブログを構築できます。
WordPressでは、デザインの土台となるテーマが9000種類以上、さまざまな機能を実現するプラグインは6万種類近くリリースされています。
自身の目指す機能やテーマを、WordPressで素早く実現しましょう。
wordpress.com
wordpress.comとは、WordPress(wordpress.org)を利用したレンタルブログサービスです。
wordpress.orgがオープンソースなのに対し、wordpress.comはAutomattic社が運営しています。
プランには「無料」「パーソナル」「プレミアム」などがあり、プランによって利用できる機能が異なります。
たとえば、無料プランではプラグインが利用できません。
wordpress.comとWordPress(wordpress.org)はまったく異なるサービスです。
レンタルブログと何が違う?
wordpress.comはレンタルブログサービスですが、WordPressは違います。
レンタルブログとWordPressの違いは、「カスタマイズ性」「SEO」「独自ドメイン」「自由度」です。
WordPressはレンタルブログに比べ、カスタマイズ性が非常に高いです。
テーマは公式リポジトリで9000種類上、プラグインは6万種類近くリリースされています。
また、WordPressはレンタルブログよりSEOに強いです。
レンタルブログはサブドメインやサブディレクトリ運用が多いのに対し、WordPressでは独自ドメインが使えます。
自由度においてもWordPressの圧勝です。
ただし、手軽さや始めやすさではレンタルブログが優勢でしょう。
wordpress.com無料版のメリット・デメリット
「WordPressを完全に無料で始める」のなら、まず候補に挙るのがwordpress.comです。
しかし、wordpress.comの無料プランはおすすめできません。
「プラグインがインストールできない」「テーマのアップロード不可」といった厳しい制限があるからです。
wordpress.comの無料プランのメリット・デメリットについて解説します。
メリット①コストが無料
wordpress.comの最大のメリットは無料で使えることです。
スタートする方法はとても簡単で、wordpress.comから無料プランを選択して登録しましょう。
wordpress.comには「無料プラン」「パーソナル」「プレミアム」「ビジネス」「eコマース」といったプランがあります。
無料プランはwordpress.comでアカウントを作るだけで始められます。
仕組み的には、一般的な無料ブログと同じです。
デメリット①プラグインが使えない
wordpress.comの無料プランは、プラグインが使えません。
WordPressはプラグインをインストールすることで問い合わせフォーム、画像圧縮、サイト表示高速化、SNS自動投稿などの便利な機能を実現します。
プラグインはサードパーティー製で、6万種類近いプラグインがリリースされています。
プラグインで実現できない機能はほぼ皆無です。
プラグインが使えないと、WordPressの魅力は半減します。
プラグインが使えないことは、wordpress.comの無料プランの大きなデメリットです。
デメリット②サブドメイン運用
wordpress.comの無料版は、サブドメインでしか運用できません。
独自ドメインをさらに分割して利用するのがサブドメインです。
「wordpress.com」が独自ドメインとすると、サブドメインは「xxx.wordpress.com」となります。
サブドメインのデメリットは以下です。
- Googleアドセンスの審査が受けられない
- ブログを移転する場合、URLが引き継げない
- ドメインを自分で所有できない
特に、ブログ移転のときにURLが引き継げない点は大きなデメリットです。
たとえば、wordpress.comの無料プランをやめ、どこかのレンタルサーバーに引っ越すとします。
このときに、サブドメインだとレンタルサーバーにドメインを引っ越せません。
デメリット③デザインのカスタマイズに制限
wordpress.comの無料プランでは、テーマのアップロードができません。
テーマとはデザインテンプレートのことで、WordPressのデザインや機能を大きく左右します。
テーマによってデザイン性、カスタマイズ性、機能性が大きく異なります。
WordPressの公式リポジトリには9000種類以上のテーマがあり、非公式のものを含めると数万種類以上のテーマを利用可能です。
自身の気に入ったテーマをアップロードし、利用することがWordPressの魅力です。
しかし、wordpress.comの無料プランでは、テーマのアップロードができません。
利用できるのはwordpress.comに用意されているテーマだけです。
くわえて、テーマのカスタマイズも制限されています。
WordPressを無料で始める方法
wordpress.comの無料プランを利用しなくても、WordPressを無料で始める方法はあります。
- WordPressが使える無料レンタルサーバーを利用する
- 無料ドメインサービスを利用する
上記2つのステップで、WordPressが無料で始められます。
ただし、この方法にもいくつかのデメリットがあります。
始め方を解説した後で、無料で始めることのデメリットについてまとめます。
無料レンタルサーバー
無料レンタルサーバーの中でも、WordPressを運用できるサービスがいくつかあります。
WordPressを無料で始めるなら、無料レンタルサーバーを利用しましょう。
XFREE
エックスサーバーが無料で提供するレンタルサーバーが「XFREE」です。
大手のエックスサーバーが運用しており、信頼性や安定性が高いことが特徴です。
無料のWordPress専用プランは、管理画面から簡単にWordPressがインストールできます。
容量は2GBで独自ドメインも5個まで運用可能です。
無料プランにもかかわらず、パソコンからの閲覧で広告が表示されません。
無料プランの中でもっともおすすめできるレンタルサーバーです。
スターサーバーフリー
スターサーバーフリーの「フリーPHP+MySQL」プランも、無料でWordPressをインストールできます。
容量は2GBで、独自ドメイン運用も可能です。
PHP7にも対応しており、最新のWordPressを稼働させられます。
広告はパソコンでは表示されず、スマートフォンやタブレットでのみ表示されます。
XREA
XREAの無料プラン「XREA Free」では、無料でWordPressをインストールできます。
GMOデジロック株式会社が運営しており、高い信頼性を誇るレンタルサーバーです。
容量は1GBとやや小さめですが、独自ドメインに対応しています。
無料レンタルサーバーにもかかわらず、チャットでのサポートがあるのが特徴です。
無料ドメイン
無料ドメインと聞くと「どうせサブドメインでしょ?」と思うかもしれません。
しかし、独自ドメインを無料で利用できるサービスがあります。
今回は、「Freenom」と「Dot TK」を紹介します。
Freenom
Freenomはオランダのアムステルダムのドメインプロバイダで、無料の独自ドメインを提供しています。
無料ドメインで取り扱っているのは「.tk」「.ml」「.ga」「.cf」「.gq」の5種類です。
すべての文字列が無料になるわけではなく、辞書に登録されている単語や1~3文字のドメインは有料になります。
無料ドメインは更新し続ければずっと使えますが、突然使えなくなったとの情報も。
無料ドメインは所有権が取得できるのではなく、利用する権利が与えられるだけです。
突然使えなくなるリスクがありますので注意しましょう。
Dot TK
Dot TKとは「.tk」「.ml」「.ga」「.cf」といったドメインを提供するサービスです。
ただし、無料ドメインの場合はドメインを使用する権利が与えられるだけで、所有権はありませんので注意しましょう。
たとえば、無料ドメインで違法コンテンツを運営していると削除されます。
また、90日間に25回以上がない場合も削除される可能性があります。
登録期間は1~12ヶ月で、有効期限の15日前から更新手続きが可能です。
更新手続きを忘れると利用できなくなります。
日本語の無料テーマ
WordPressのテーマとは、デザインテンプレートのことです。
テーマはブログやWebサイトのデザインや機能を左右します。
海外製の多いテーマですが、日本製の無料テーマもリリースされています。
以下に紹介するのはデザイン性、機能性、カスタマイズ性に優れたテーマです。
Cocoon
有料テーマより機能性が高い無料テーマがCocoonです。
- アフィリエイトタグをショートコード化
- GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールと連携
- AMP化がワンクリック
- アピールエリアやCTAなどの機能が豊富
- サイト表示の高速化設定
ここでは書ききれないほどの機能を備えており、とにかく多機能。
ブログ初心者にとっては、使いこなすまでが大変かもしれません。
デザインはシンプルで、CSSによるカスタマイズ前提です。
とにかくいろいろな機能が欲しい人におすすめしたいテーマ。
Lightning
Lightningはビジネス用にも利用できるテーマで、有効インストール数は6万件以上を誇ります。
トップページにスライドショーがあり、ファーストビューでのインパクト抜群。
デザインの完成度が高く、デフォルトのまま利用することもできます。
CSSやHTMLの知識がない初心者におすすめしたいテーマです。
くわえて、Cocoonほどではないにしても多機能で、ワンクリックでさまざまなカスタマイズができます。
日本語無料テーマの中でトップクラスのテーマです。
yStandard
yStandardはシンプルでエレガントなデザインの無料テーマです。
カスタマイズを前提に作られており、自分だけのWebサイトやブログが作れます。
yStandardもカスタマイズ性と機能性が高く、さまざまなカスタマイズが簡単に行えます。
マニュアルがあるので、初心者でも安心してカスタマイズ可能です。
シンプルで完成度の高いデザインは、デフォルトでもある程度使えそう。
ブログ初心者にも、カスタマイズしたい人にもおすすめです。
無料で役立つプラグイン
無料レンタルサーバーは容量が少ないため、プラグインは必要最低限に絞らなければなりません。
そこで、最低限入れておきたいプラグインについて紹介します。
Akismet
AkismetはWordPressのデフォルトプラグインで、コメントやトラックバックのスパムを自動判定します。
Akismetを使うことで、スパムコメントを自動でフォルダに振り分けてくれます。
コメントを受け付ける設定にしているなら、必ず利用したいプラグインです。
使用にはユーザー登録が必要ですが、無料で利用できます。
All in One SEO Pack
All in One SEO PackはWordPressのSEOプラグインで、SEO対策を簡単に設定できます。
セットアップウィザードが備わっており、誰でも数分でSEO設定を終えられます。
無料で使用できるにもかかわらず、非常に多機能。
ダウンロード数は300万以上を数え、大人気のプラグインです。
ブログで検索上位を狙うなら、インストールしておくことをおすすめします。
EWWW Image Optimizer
EWWW Image Optimizerは画像を圧縮するプラグインです。
画像圧縮することでファイルサイズが小さくなり、サイトの表示速度アップにつながります。
Googleではコンテンツの評価に表示速度を取り入れています。
そのため、サイトの高速化はSEOやユーザビリティの観点から必須です。
EWWW Image OptimizerはWebPにも対応しており、すべて自動で画像を変換してくれます。
また、今までアップロードした画像も一括で変換可能です。
無料レンタルサーバーは容量が少ないので、ぜひ入れておきたいプラグイン。
BackWPup
BackWPupはWordPressのバックアップを取るプラグインです。
バックアップしておくことで、万が一のサーバーエラーに備えられます。
くわえて、バックアップデータを使ってサーバー移行することが可能です。
無料レンタルサーバーから移行するときに必要になるかもしれません。
WordPressを無料で運営するメリット・デメリット
WordPressの無料の始め方について解説してきましたが、最後に無料のメリット・デメリットについてお伝えします。
メリットとデメリットを比較し、無料と有料のどちらでスタートするか検討しましょう。
メリット①コストが無料
無料レンタルサーバー、無料ドメインを利用してWordPressを始めると、初期費用もランニングコストもゼロです。
無料ならWordPressを手軽に始められます。
金銭的なリスクは一切ありません。
メリット②WordPressを試用できる
WordPressを使ったことがない場合、試用してから使うかどうか決めたいもの。
WordPressが無料なら、いくらでも試用できます。
WordPressはwordpress.comとは異なり、プラグインやテーマのインストール制限はありません。
カスタマイズも自由に行えます。
そのため、本来のWordPressが持っている特徴や魅力を十分につかめるでしょう。
デメリット①広告が表示される
無料レンタルサーバーは広告が表示されます。
レンタルサーバーによってはパソコン版には広告が表示されません。
しかし、スマートフォンやタブレットの閲覧では広告が出ます。
WordPressでアフィリエイトを運用する場合、無料レンタルサーバーの広告は邪魔です。
ユーザーにとっても広告が多いと、記事内容に集中できないでしょう。
デメリット②安定性が低い
無料レンタルサーバーの安定性は高くありません。
有料レンタルサーバーに比べ、無料レンタルサーバーの安定度はどうしても劣ります。
くわえて、無料レンタルサーバーはサーバースペックが低かったり、速度が遅かったりすることも。
公開したWebサイトがアクセスを集めた場合、リソース不足で遅延が発生するかもしれません。
デメリット③機能・スペックが低い
無料レンタルサーバーの容量は大きくありません。
今回の記事で紹介したサーバーの容量は最大2GBでした。
たとえば、画像を多く使用するWebサイトの場合、2GBでは容量が足りなくなる恐れがあります。
Webサイトを長く運営していれば、どんどん容量はかさばります。
また、近年必須と言われているSSLに、無料レンタルサーバーは対応していません。
SSLとは「https://」と表示するURLのことでセキュアだとされており、GoogleもSSLを推奨しています。
機能の足りなさ、スペックの低さは、無料レンタルサーバーの大きな欠点です。
デメリット④サポートがない
無料レンタルサーバーも無料ドメインもサポートがありません。
サーバートラブルが起きた場合に、サポートの有無で問題解決までの時間は大きく変わります。
WordPress初心者であれば、なおさらサポートが必要でしょう。
サポートがないことは無料サービスの大きなデメリットです。
デメリット⑤移行するコストが大きい
無料ドメインはいつ使えなくなるかわかりません。
WordPressdでアクセス数が上がってきて、有料ドメインに切り替えようとすると多大なコストが発生します。
なぜなら、今までの無料ドメインのURLが使えなくなるからです。
ドメインの切り替えは、ゼロからスタートするようなもの。
このため、無料ドメインで始めて有料ドメインに切り替えることはおすすめしません。
最初から有料ドメインを利用する方がよいでしょう。
無料でWordPressを始めるなら、あくまでお試しにしましょう。
本格的にブログやWebサイトを運用するなら、せめてドメインだけでも有料にするのがおすすめです。
まとめ
WordPressには「wordpress.org」と「wordpress.com」があります。
wordpress.comの無料プランは、無料レンタルブログと変わりません。
一般的にWordPressと言われるのは、サーバーにインストールする「wordpress.org」です。
WordPressを無料で始めるには、無料レンタルサーバーと無料ドメインを利用しましょう。
ただし、恒久的に無料で運営するのはおすすめしません。
さまざまなデメリットがあるからです。
使い勝手を確かめたり、使用したりする場合は無料で始めるのがおすすめです。